空間と文脈のあいだに、その場所だけの物語を描く。
Stories shaped by place, between space and context.

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A room of fire
火でできた部屋


2026.4.17



木村達哉は、小さな器を作るために、地面ごと焼いてしまうような男である。大地の質感を信じている作り手だ。

彼は日本各地を旅しつつ、土のサンプル採集に励む。その種類は100を超え、単に色や粒度の違いだけでなく、必ずしも陶芸に使えないような性質のものまで集めている。

現代陶芸における焼成方法としては電気窯が主流であるが、彼は穴窯をスタイルとする。三重の里山地域の土手に自ら掘った穴に、火を轟々と三日三晩焚き続ける。穴窯の形状は火の回り方や風の吹き込み方といった環境をうまく捉えている。窯の中は、炎とともに舞う釉薬成分によってガラス質の艶がかったテクスチャーに囲まれ、それは小さいながらもまるで焼き物でできた部屋である。

いづれは彼と一緒に、椅子2脚置ける程度の部屋を作ってみたい。


  ⒸStudio Kosuke Nakamura 2026